九博で開催中の特別展に行きました。
「誕生!中国文明」というタイトルなので、てっきり中国文明誕生期の展示だと思っていたのですが、河南省出土の三代から唐宋までのいろんな文物でした。
「唐宋時代って・・・それ誕生じゃなくて円熟では?」とツッコム私。
仰韶~龍山~三代あたりを期待してたものですから。
観覧日が誕生日の人は観覧料がタダなのだそうです。
マスコットも誕生にちなんでヒヨコ。
チョットこじつけが過ぎる気もしましたが、多くの人が足を運ぶきっかけになっていると良いですね。
「河南省ってこんなところ」というとても良い展示でしたので。
それでは印象に残ったものについて感想を書きます。
その1
一番右のショーケース、最奥に白陶盉と黒陶盉があるんです。→ここらへん
ふっくらとした三足の白陶と黒陶にうっとり・・・。
これこれ。こういうのが見たかったんですよ。
白と黒が対で使われていたとのこと。祭祀関係のものだったのでしょうか。
夏時代の遺跡といえば偃師市二里頭遺跡が有名ですが、これは伊川県南寨遺跡のものなのだそう。
いろんな先行文化だったり地域文化だったりが重奏している、そんな新石器時代後期と夏。
すごいですね。
その2 春秋時代の小さな国々
河南省ならではだと思ったのが、春秋時代の国々のものが来ていたことです。
例えばこんな国々です。(Unicodeも字が増えたけど、文字化け予防で画像にしました。)
↓
九鼎は鄭国のものでした。
↓
前7~6世紀の鄭国祭祀遺跡出土だそうです。
鄭は周王室から分家した国なので、プライドもあったことでしょう。この時代を象徴する展示でした。
そして虢国のものが展示されていたことが個人的に嬉しかったです。
重要な国ですが、有名な割に語られることが少ない国なので興味深々でした。
玉製の胸飾り。虢国君主婦人のものだそうです。赤いビーズと玉環を割ったような形のコラボが面白かった。
↓
玉覆面。虢国墓地出土。顔全体を覆う大きさの玉がなかったのかしらーとか思いましたけど、デザイン的にはこっちのほうがいい感じ。
↓
展示品は前9~前8世紀のものでした。安定してたころの虢のもの?
アクセサリーのコーナーにも虢国墓地から出た玉製品がたくさんありましたね。
虢と言う国の性質を表していたと思います。
そして許国。
許の六戈戟は興味深かったです。武器をわざわざ玉で作るあたりが逆に玉の特殊性を感じさせたというか。
↓
祭祀用とのことでした。しかし、なんで六戈?
編鐘も許のものが来てましたね。はく鐘の龍の装飾が面白かったです。
↓
春秋戦国のこのコーナー、すごくよかった。
春秋時代に存在した国それぞれに、こういう文物があるのですね。すごいですよねぇ。
出土年が新しかったのも印象に残りました。
2000年代のものもありましたよ。
最近の発掘の成果を、早速見ることが出来て嬉しく思いました。
その3 その他まとめて
ほかに印象に残ったものです。
画像がないですが、
・春秋時代の盟書 ・戦国時代の竹簡 ・漢時代の壁画日月図(部分)
・北宋時代の玉冊 ・金文いろいろ
は見ることができてよかったと思いました。
画像付でご紹介。
・前漢時代の女子俑頭部
↓
(俑が並んでいるところにありました。これを選んだ人はすごいです。他にいろいろあるでしょうに、なんでまたコレだったのか?)
(人間の頭を魔よけとかにしていた風習が、俑の時代になっても残ってたというのは興味深いことでした。)
・唐時代の宝冠如来坐像
↓
(美しさもさることながら、こんな大きいのがはるばる海を越えてきたということにびっくり。)
・唐時代の絞胎枕
↓
(色の違う粘土を捏ねてマーブル状にしてるのだそう。宋代の枕もありました。)
・北宋時代の三彩舎利容器
↓
・北宋時代の青磁
↓
(北宋の青磁はやっぱレベル高い。)
以上が印象に残りました。
全体的に来ているものは小ぶりでしたけど、いろんなものが見られて楽しかったです!
(省博物館がもっといいの持ってるのに、なんでこれ?と思ったのはナイショ。)
展示構成に関しては、無理に中国文明に広げちゃわないで、もっと河南省を前面に出してもよかったんじゃないかなと思いました。
(仰韶~龍山~三代~春秋戦国まででまとめたほうが無理がなかったんじゃないかと。地域性ももっと出るし。。漢と唐を語るのに、陝西省抜きじゃーねー。と思ったのは私だけかしら。)
それと、これおっきな声で宣伝していいんじゃないかと思ったのが、子供用音声ガイドのこと。
そう!今回音声ガイドに子供版があるんです。
↓
大人が借りてもいいかも。(ちょっと聞いてみたかった。)
最後に。物販のほうでおもしろいものがあったので紹介します。
「中国古代史概要一覧図」簡体字版
↓
画像は八折にした状態です。広げるとポスターサイズ。有名なものなのかな。
ぐるぐるぐるっと渦巻状に時代が書かれていて、一度に全体を見渡せるのでとっても便利。
南京大学出版とあるので、内容も信頼できるでしょう。
「中国歴代帝王系譜」
↓
これ、超めっけものでした。伝説時代の有巣氏から始まって、歴代王朝と代々の王の名前が、流れ図的に書いてあるんです。しかも細かいのにわかりやすい。
どれくらい細かいかというと、商代~西周までに存在した国の名前が今数えたら49ありましたよ。(東虢・西虢・北虢、区別してました。)
五胡十六国時代も五代十国時代もわかりやすいです。
その時々の版図とか有名な人の肖像とか年表までついてます。
これで100円。ワオ!でした。
「誕生!中国文明」というタイトルなので、てっきり中国文明誕生期の展示だと思っていたのですが、河南省出土の三代から唐宋までのいろんな文物でした。
「唐宋時代って・・・それ誕生じゃなくて円熟では?」とツッコム私。
仰韶~龍山~三代あたりを期待してたものですから。
観覧日が誕生日の人は観覧料がタダなのだそうです。
マスコットも誕生にちなんでヒヨコ。
チョットこじつけが過ぎる気もしましたが、多くの人が足を運ぶきっかけになっていると良いですね。
「河南省ってこんなところ」というとても良い展示でしたので。
それでは印象に残ったものについて感想を書きます。
画像は、ぶろぐるぽにエントリーすることで博物館から提供していただいたものです。
その1
一番右のショーケース、最奥に白陶盉と黒陶盉があるんです。→ここらへん
ふっくらとした三足の白陶と黒陶にうっとり・・・。
これこれ。こういうのが見たかったんですよ。
白と黒が対で使われていたとのこと。祭祀関係のものだったのでしょうか。
夏時代の遺跡といえば偃師市二里頭遺跡が有名ですが、これは伊川県南寨遺跡のものなのだそう。
いろんな先行文化だったり地域文化だったりが重奏している、そんな新石器時代後期と夏。
すごいですね。
その2 春秋時代の小さな国々
河南省ならではだと思ったのが、春秋時代の国々のものが来ていたことです。
例えばこんな国々です。(Unicodeも字が増えたけど、文字化け予防で画像にしました。)
↓
九鼎は鄭国のものでした。
↓
前7~6世紀の鄭国祭祀遺跡出土だそうです。
鄭は周王室から分家した国なので、プライドもあったことでしょう。この時代を象徴する展示でした。
そして虢国のものが展示されていたことが個人的に嬉しかったです。
重要な国ですが、有名な割に語られることが少ない国なので興味深々でした。
玉製の胸飾り。虢国君主婦人のものだそうです。赤いビーズと玉環を割ったような形のコラボが面白かった。
↓
玉覆面。虢国墓地出土。顔全体を覆う大きさの玉がなかったのかしらーとか思いましたけど、デザイン的にはこっちのほうがいい感じ。
↓
展示品は前9~前8世紀のものでした。安定してたころの虢のもの?
アクセサリーのコーナーにも虢国墓地から出た玉製品がたくさんありましたね。
虢と言う国の性質を表していたと思います。
そして許国。
許の六戈戟は興味深かったです。武器をわざわざ玉で作るあたりが逆に玉の特殊性を感じさせたというか。
↓
祭祀用とのことでした。しかし、なんで六戈?
編鐘も許のものが来てましたね。はく鐘の龍の装飾が面白かったです。
↓
春秋戦国のこのコーナー、すごくよかった。
春秋時代に存在した国それぞれに、こういう文物があるのですね。すごいですよねぇ。
出土年が新しかったのも印象に残りました。
2000年代のものもありましたよ。
最近の発掘の成果を、早速見ることが出来て嬉しく思いました。
その3 その他まとめて
ほかに印象に残ったものです。
画像がないですが、
・春秋時代の盟書 ・戦国時代の竹簡 ・漢時代の壁画日月図(部分)
・北宋時代の玉冊 ・金文いろいろ
は見ることができてよかったと思いました。
画像付でご紹介。
・前漢時代の女子俑頭部
↓
(俑が並んでいるところにありました。これを選んだ人はすごいです。他にいろいろあるでしょうに、なんでまたコレだったのか?)
(人間の頭を魔よけとかにしていた風習が、俑の時代になっても残ってたというのは興味深いことでした。)
・唐時代の宝冠如来坐像
↓
(美しさもさることながら、こんな大きいのがはるばる海を越えてきたということにびっくり。)
・唐時代の絞胎枕
↓
(色の違う粘土を捏ねてマーブル状にしてるのだそう。宋代の枕もありました。)
・北宋時代の三彩舎利容器
↓
・北宋時代の青磁
↓
(北宋の青磁はやっぱレベル高い。)
以上が印象に残りました。
全体的に来ているものは小ぶりでしたけど、いろんなものが見られて楽しかったです!
(省博物館がもっといいの持ってるのに、なんでこれ?と思ったのはナイショ。)
展示構成に関しては、無理に中国文明に広げちゃわないで、もっと河南省を前面に出してもよかったんじゃないかなと思いました。
(仰韶~龍山~三代~春秋戦国まででまとめたほうが無理がなかったんじゃないかと。地域性ももっと出るし。。漢と唐を語るのに、陝西省抜きじゃーねー。と思ったのは私だけかしら。)
それと、これおっきな声で宣伝していいんじゃないかと思ったのが、子供用音声ガイドのこと。
そう!今回音声ガイドに子供版があるんです。
↓
大人が借りてもいいかも。(ちょっと聞いてみたかった。)
最後に。物販のほうでおもしろいものがあったので紹介します。
「中国古代史概要一覧図」簡体字版
↓
画像は八折にした状態です。広げるとポスターサイズ。有名なものなのかな。
ぐるぐるぐるっと渦巻状に時代が書かれていて、一度に全体を見渡せるのでとっても便利。
南京大学出版とあるので、内容も信頼できるでしょう。
「中国歴代帝王系譜」
↓
これ、超めっけものでした。伝説時代の有巣氏から始まって、歴代王朝と代々の王の名前が、流れ図的に書いてあるんです。しかも細かいのにわかりやすい。
どれくらい細かいかというと、商代~西周までに存在した国の名前が今数えたら49ありましたよ。(東虢・西虢・北虢、区別してました。)
五胡十六国時代も五代十国時代もわかりやすいです。
その時々の版図とか有名な人の肖像とか年表までついてます。
これで100円。ワオ!でした。
同カテゴリーの記事
| Museum::九州国立博物館 |2010年11月15日({XT_LOG_JDAY})| comments (0) |
コメント
TOP PAGE △