九博で開催中の特別展に行きました。
個人的に印象に残ったことについて感想を書いてみます。
まとめきれないので箇条書きにしますね。
その1 巡照朝課
開館と同時に入って、まずは3階展示室入り口で始まった「巡照」を拝見。
下の画像の向かって右側の柱に「巡照板」がかけてあります。
この板を木槌で打ち鳴らす”カーン”という音が潔くて気持ちよかった。
下の画像をよく見ると、木槌を持ってらっしゃるのがわかります。(画像はすべて、クリックで拡大します。)
↓
「巡照版」と、萬福寺にあった「巡照版」についての説明文。
↓
萬福寺にはこの「巡照版」が五ヶ所かけてあるそうです。広いですものね。
九博では、三階入り口と隠元隆琦像の斜め前の二ヶ所にありました。
(前回来たときはあじっぱのあたりにもあった気が。。)
二ヶ所なのは、一ヶ所だと「巡」にならないからかしら。と思ったり。
それから展示室内の隠元隆琦像に移動して「朝課」。
↓
読み上げられる文言は、伝来当時の中国南方の音(オン)。ゆっくりした感じ。。
なるほどこの響きはおもしろい。
(大雑把な言い方をすれば、北京語と福建語の違いみたいなものをイメージすればいいかと。。今の福建語とも違うけどね。)
それから、左右の木庵&即非・前にある五具足、それぞれ別々の所から来ているのに、
元々そういうセットだったかのように馴染んでいました。
展示が結ぶ縁というのもなにか不思議。
経を詠まれているのは、交代で務められている九州の僧侶方だそうです。
始まる時に「見て行かれませんか」と入場者に声をかけられていて、
とても気さくな感じでした。
その2 長崎’s
今回の展示では、長崎の興福寺・崇福寺をはじめとして、九州の黄檗寺院のものが集っています。
その中でもこのコーナーは嬉しかった。いつもは暗いお堂の中で良く見えない仏像が、
ステキにレイアウトされていて。
↓
欲を言えば、九州関係は独立した部立てでもっと見たかったように思います。
妙心寺展の時のように。
釈迦如来坐像像内納入品にはびっくりでした。
内蔵を簡略化した模型なんですが、臓器が一つのものと二つのものがちゃんとあるんです。
寛文長崎図屏風も、諏訪神社など見慣れたものが描かれていて楽しかった。
そういえば、長崎の崇福寺に行くと、隠元の人柄を知るエピソードとして来日の時のことが書いてありましたね。
弟子を遣わしたら海難にあったので、老いていたけれど師匠(=隠元)が来たというお話。
あれを読んだ時は感動しました。
その3 安東省菴関係書札
画像がないのですが、今回の展示で一番印象に残ったのがコレでした。
柳川が誇る儒学者安東省菴の名を、まさかここで見ようとは! です。
朱舜水の書札もありました。
「朱舜水書札 寄安東省菴」などはもう、読んでると胸にジーンと来ました。
安東省菴関連を展示に入れてくださってありがとうございます。
ぐっじょぶ です。(>▽<)q
その4 福州沿海図
安東省菴の次に印象に残ったのがこの地図でした。
↓
地味ですが、当時の台湾情勢などがわかります。
何が描かれているか、多くの人に実際に見て欲しいと思いました。
世界を股にかける福州の人々。鄭成功。
元をたどればこの人たちが居たから。
唐船之図も興味深かった。
この船で大海に漕ぎだして行ったのですね。
↓
その5 「隠元禅師の夢~瞑想のひととき」
ミニコンサートが一階のエントランスホールで行われていました。
↓
上田純子さんの声がすごい。
流行りの言い方でいうと「倍音の爆発感がすごい」。
ざわざわしてて音響もよくない場所でやるのがもったいなかったような。。。
薩摩琵琶もいつ聞いてもいい音色。
フルートとのコラボということで、どんな演奏なのかと思っていたら、聴いた印象は尺八に近かったです。
薩摩琵琶にぴったり。
遺偈や鉄眼経など大変なものがたくさんありましたが、記憶を篩にかけてみると長崎と福州が印象に残ってる私。
実際に行ったことがある土地のものには肩入れしてしまいます。
それと、妙心寺展では豊臣恩顧のものが多かったのに、今回は酒井忠勝や徳川方の名前が出てくるのも、何か時代を実感させてリアルでした。
年数的にそんなに間が空いてないのに、です。
岡本大八事件の後キリスト教禁止令が出て、島原の乱が1937年。その前はイエズス会の宣教師たちが幅きかせてて。。
このあたりの長崎はすごいなー。と思います。(このあたりから、か。。)
4階ではタイと日本のコラボ展をやっていて、こちらも見応えありました。
展示室三つ使ってるのかな、結構なボリュームでしたよ。
両国の絣の比較ということで、松枝玉記のお城模様の絣が展示されていました。
思いがけず見ることができて嬉しかったです。
それから、1階では現代工芸美術展やってました。
エントランスホールとミュージアムホールいっぱいに展示されていて、やはり見応え十分。
黄檗展は5月22日まで、現代工芸美術展は5月29日まで、日本とタイ展は6月5日までです。
個人的に印象に残ったことについて感想を書いてみます。
「黄檗」のロゴがある画像は、ぶろぐるぽにエントリーして博物館から提供していただいたものです。
宇治の萬福寺訪問記は→こちらへ
まとめきれないので箇条書きにしますね。
その1 巡照朝課
開館と同時に入って、まずは3階展示室入り口で始まった「巡照」を拝見。
下の画像の向かって右側の柱に「巡照板」がかけてあります。
この板を木槌で打ち鳴らす”カーン”という音が潔くて気持ちよかった。
下の画像をよく見ると、木槌を持ってらっしゃるのがわかります。(画像はすべて、クリックで拡大します。)
↓
「巡照版」と、萬福寺にあった「巡照版」についての説明文。
↓
萬福寺にはこの「巡照版」が五ヶ所かけてあるそうです。広いですものね。
九博では、三階入り口と隠元隆琦像の斜め前の二ヶ所にありました。
(前回来たときはあじっぱのあたりにもあった気が。。)
二ヶ所なのは、一ヶ所だと「巡」にならないからかしら。と思ったり。
それから展示室内の隠元隆琦像に移動して「朝課」。
↓
読み上げられる文言は、伝来当時の中国南方の音(オン)。ゆっくりした感じ。。
なるほどこの響きはおもしろい。
(大雑把な言い方をすれば、北京語と福建語の違いみたいなものをイメージすればいいかと。。今の福建語とも違うけどね。)
それから、左右の木庵&即非・前にある五具足、それぞれ別々の所から来ているのに、
元々そういうセットだったかのように馴染んでいました。
展示が結ぶ縁というのもなにか不思議。
経を詠まれているのは、交代で務められている九州の僧侶方だそうです。
始まる時に「見て行かれませんか」と入場者に声をかけられていて、
とても気さくな感じでした。
その2 長崎’s
今回の展示では、長崎の興福寺・崇福寺をはじめとして、九州の黄檗寺院のものが集っています。
その中でもこのコーナーは嬉しかった。いつもは暗いお堂の中で良く見えない仏像が、
ステキにレイアウトされていて。
↓
欲を言えば、九州関係は独立した部立てでもっと見たかったように思います。
妙心寺展の時のように。
釈迦如来坐像像内納入品にはびっくりでした。
内蔵を簡略化した模型なんですが、臓器が一つのものと二つのものがちゃんとあるんです。
寛文長崎図屏風も、諏訪神社など見慣れたものが描かれていて楽しかった。
そういえば、長崎の崇福寺に行くと、隠元の人柄を知るエピソードとして来日の時のことが書いてありましたね。
弟子を遣わしたら海難にあったので、老いていたけれど師匠(=隠元)が来たというお話。
あれを読んだ時は感動しました。
その3 安東省菴関係書札
画像がないのですが、今回の展示で一番印象に残ったのがコレでした。
柳川が誇る儒学者安東省菴の名を、まさかここで見ようとは! です。
朱舜水の書札もありました。
「朱舜水書札 寄安東省菴」などはもう、読んでると胸にジーンと来ました。
安東省菴関連を展示に入れてくださってありがとうございます。
ぐっじょぶ です。(>▽<)q
その4 福州沿海図
安東省菴の次に印象に残ったのがこの地図でした。
↓
地味ですが、当時の台湾情勢などがわかります。
何が描かれているか、多くの人に実際に見て欲しいと思いました。
世界を股にかける福州の人々。鄭成功。
元をたどればこの人たちが居たから。
唐船之図も興味深かった。
この船で大海に漕ぎだして行ったのですね。
↓
その5 「隠元禅師の夢~瞑想のひととき」
ミニコンサートが一階のエントランスホールで行われていました。
↓
上田純子さんの声がすごい。
流行りの言い方でいうと「倍音の爆発感がすごい」。
ざわざわしてて音響もよくない場所でやるのがもったいなかったような。。。
薩摩琵琶もいつ聞いてもいい音色。
フルートとのコラボということで、どんな演奏なのかと思っていたら、聴いた印象は尺八に近かったです。
薩摩琵琶にぴったり。
遺偈や鉄眼経など大変なものがたくさんありましたが、記憶を篩にかけてみると長崎と福州が印象に残ってる私。
実際に行ったことがある土地のものには肩入れしてしまいます。
それと、妙心寺展では豊臣恩顧のものが多かったのに、今回は酒井忠勝や徳川方の名前が出てくるのも、何か時代を実感させてリアルでした。
年数的にそんなに間が空いてないのに、です。
岡本大八事件の後キリスト教禁止令が出て、島原の乱が1937年。その前はイエズス会の宣教師たちが幅きかせてて。。
このあたりの長崎はすごいなー。と思います。(このあたりから、か。。)
4階ではタイと日本のコラボ展をやっていて、こちらも見応えありました。
展示室三つ使ってるのかな、結構なボリュームでしたよ。
両国の絣の比較ということで、松枝玉記のお城模様の絣が展示されていました。
思いがけず見ることができて嬉しかったです。
それから、1階では現代工芸美術展やってました。
エントランスホールとミュージアムホールいっぱいに展示されていて、やはり見応え十分。
黄檗展は5月22日まで、現代工芸美術展は5月29日まで、日本とタイ展は6月5日までです。
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| Museum::九州国立博物館 |2011年5月18日({XT_LOG_JDAY})| comments (0) |
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