妙心寺展、でした。

妙心寺、というのがちょっと意外、でした。

(宗門の方が行かれる現役バリバリのお寺、というイメージがあったものですから。)

その上タイトルに「九州・琉球」が入っていたのがまた不思議で。。。


京都のお寺の展示なのに、「九州・琉球」がどうしてくっついているの?と。


一体どういう展示なのか、想像がつかないまま会場に赴きました。

実際に見てみると、個人的にはこの「九州・琉球」がよかったです。

むしろ妙心寺にくっつけず、もっと掘り下げて単独のテーマとしてやってよかったんじゃないか、と思ったくらい。

結局、龍虎図を待たずに二回行ってしまいました。


それでは、感想です。

長くなるので箇条書きにしますね。

画像はぶろぐるぽにエントリーすることで博物館から提供していただいたものです。



四葉 その1 四葉  花頭窓と石庭

入り口を入るとすぐ、花頭窓を模したトンネルが出迎えてくれました。
その先に見えているのは龍安寺の石庭。

この空間すごく良かったです。



別の視点からもう一枚。



庭や方丈も大事な要素。
持ってくることは出来ないけれど、こういう象徴的な空間があるのはいいですね。
(しかし、世界遺産の龍安寺が妙心寺派の寺院だったとは~。)

花頭窓を作っているのは薄い和紙(のようなもの?)でした。
それがこんなにも立体的な空間を形成していることにも感動。

それと、今回は入り口が右にあって、順路が左回りだったのもなんだか新鮮でしたよ。





四葉 その2 四葉  「瓢鮎図」

今回のお目当てです。

画像右、緑色のパネルに展示してあるのがそう。
                     ↓


画賛がおもしろいのなんの。
ちょっと老荘っぽいところもあるかなーと思ったり。(←テキトーですから。)

この調子で論を仕掛けられた日には、旧仏教派の方々はさぞ面食らったことでしょうねぇ。


実は、私が「瓢鮎図」のことを知ったのは、あの花田清輝著『日本のルネッサンス人』の中でした。

かいつまんで紹介すると、

「『瓢鮎図』が描かれた応永年間には度々地震があって、この絵は地震(=鯰)に対する人間の工夫のむなしさを風刺しているようにみえる。 が、男のむなしく見える行為そのものが、実は新しい時代の動きを敏感に捉えているのではないか。(それが『新様』だ。)」

みたいな内容でした。

すごく印象に残っていたので、いつか見たいなーと思っていたのです。
今回めでたく対面できて、よかったよかった。

いずれにしても、意味は自分で見つけなさいって事ですね。



※1/17までの展示でした。
 



四葉 その3 四葉  兄弟鐘

見る前は、「なんで九州・琉球がくっついているの?」と思っていましたが、「なるほど!」だったことの一つがこれ。

そうだよ!
妙心寺の鐘と観世音寺の鐘を並べるなんて、
ここしかできないよ!



画像ではまだ観世音寺の鐘は到着していませんが、私が行ったとき一階のエントランスに吊ってあって、二つの鐘の音を聞き比べるイベントが行われていました。

実際に聞いてみると、観世音寺の鐘の方が柔らかく広がる感じがして、好きかなぁ。





四葉 その4 四葉  興徳寺の南浦紹明像

大事な人を忘れてました。

うかつでした。

全く頭にありませんでした。

これが来ているなんて。。。

福岡にある紹明自賛の肖像画ですよ。

南浦紹明→宗峰妙超→関山慧玄と流れてくるわけで。
紹明は太宰府に30年ほどいた人ですから、そのことをもっと考えなくちゃと思いました。
栄西(日本最初の禅寺聖福寺を建立)・円爾(承天寺の開基)と博多の関係に比べて、このことあまり知られていないように思います。
(自分が忘れていただけだったり。)
まさに「禅の至宝と九州」ですね。

紹明の画像はないので、代わりに門下生達(妙超&慧玄)の画像をば。



左の像が関山慧玄。後世の人が想像して作ったモノ。
右端の「関山」道号を書いたのが宗峰妙超。

(ちなみに興徳寺は福岡市姪浜にある南浦紹明開山の寺院です。)




四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉四葉

一緒に行ったコはいわゆる歴女で、稲葉一鉄や福島政則の肖像に感激しておりました。
そういうのが好きな人は、そっちも楽しいかも。
他会場での展示に比べると少ないようでしたけれど。
(その分九州のものを集めて、頑張られてたと思います。)


第二部の「禅と九州・琉球」については、次回の記事で書きたいと思います。
かつての仏教王国琉球の姿に涙。。。




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| Museum::九州国立博物館 |2010年1月30日({XT_LOG_JDAY})| comments (0) |
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